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サンプルスライス
少し戻ってサンプルについて再び見てみましょう。サンプルループの再生がどのような振舞いか理解するために、次のビデオを見てみましょう。
Your browser does not support the video tag.
これは、:loop_amen
のサンプルを次のコードで再生したものです:
sample :loop_amen
では、このビートを再生し続けるように、live_loop
を作ってみましょう。sample
コマンドには、サンプルを特定の拍数に合わせるようピッチを変更するbeat_stretch
オプションがあったのを覚えていますか?それは、”音を調整する”の章で簡単に紹介しました。では、このオプションを使い、loop_amen
のサンプルを4拍に伸ばして、ループし続けるようにしてみましょう:
use_bpm 145
live_loop :drumloop do
sample :loop_amen , beat_stretch: 4
sleep 4
end
次に、loop_amen
の各部分を様々な順序で再生する方法を見ていきましょう。sample
コマンドは、異なる開始時点と終了時点をstart
オプションとend
オプションで指定可能です。どちらのオプションも0
から1
の値を設定可能で、それぞれサンプルの始めと終わりを示しています。例えば、0
はサンプルの始め、0.5
はサンプルの真ん中、1
はサンプルの終わりです。次の例で実際に動かしてみましょう:
use_bpm 145
live_loop :drumloop do
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0 , finish: 0.125
sleep 0.5
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0 , finish: 0.125
sleep 0.5
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0.5 , finish: 0.75
sleep 1
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0.25 , finish: 0.5
sleep 1
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0.75 , finish: 0.875
sleep 0.5
sample :loop_amen , beat_stretch: 4 , start: 0.25 , finish: 0.375
sleep 0.5
end
下のビデオは(Ableton Liveのサンプラーで作ったものですが)、live_loop
の実行の際にどの部分が再生されるかビジュアライズしたものです:
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サンプルの様々な部分を全く異なる順序で再生するのは、楽しいと思いませんか?sample
コマンドのオプションで色々実験してみましょう。例えば、rate: -1
をloop_amen
の再生の1つに追加すると、逆再生します。
sample
コマンドのオプション(rate
, pan
, amp
, attack
, release
, start
, finish
といったもの)で実験し始めると、あるサンプル音源がほとんどどんな音にも加工することができるでしょう。以下の例では、これらのオプションをランダムな値と使用することで、2つのサンプル音源から一意なマイクロサウンド を再生しています:
use_bpm 180
with_fx :reverb , mix: 0.2 , room: 1 do
live_loop :grain1 do
s = rrand ( 0 , 0.7 )
t = rrand ( 0.03 , 0.3 )
e = s + t
a = rrand ( 0.5 , 1.0 )
sample :guit_e_fifths , rate: - 1.5 , start: s , finish: e , attack: t / 6.0 , sustain: t / 2.0 , pan: rrand ( - 0.5 , 0.5 )
sleep t
end
live_loop :grain2 do
s = rrand ( 0 , 0.7 )
t = rrand ( 0.03 , 0.2 )
e = s + t
a = rrand ( 0.5 , 1.0 )
sample :guit_em9 , rate: 1.5 , start: s , finish: e , attack: t / 6.0 , sustain: t / 2.0 , pan: rrand ( - 0.5 , 0.5 )
sleep t
end
end
また、このテクニックは、グラニュラーサンプラーやグラニュラーシンセサイザー で広く使われています。