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スライサー

前のトピックで紹介したサンプルスライスに加え、何か”リズミカルでチョップされた”ものを追加するのに、:slicerエフェクトを使うことができます。それは時間に沿って音量を変えます(それはしばしば振幅変調と呼ばれます)。では、空のBufferに新しいlive_loopを作って、サンプルの:loop_breakbeatを構成要素として使い、このエフェクトを実験してみましょう。

use_bpm 120

live_loop :breakbeat do
  sample :loop_breakbeat, beat_stretch: 4, amp: 2
  sleep 4
end

このループは下のビデオと同じような音がします。ここで赤い色は音量を示していて、この例では最大になっているはずです。

では、with_fxコマンドを使って、live_loopにスライサーエフェクトを追加してみましょう。もしSonic Piでのエフェクトの使い方を思い出せない場合は、前にあるエフェクトの章で、理解を深めることができます。

use_bpm 120

live_loop :breakbeat do
  with_fx :slicer do
    sample :loop_breakbeat, beat_stretch: 4, amp: 2
    sleep 4
  end
end

新しく追加されたスライサーエフェクトは不快に聞こえるので、それを少し調整する必要があります。スライサーエフェクトの主なオプションは、phasewavemixです。phaseはどれだけ速くもしくは遅く振幅変調が起こるかの頻度です。phaseのデフォルト値は0.25で、これは16分音符ごとにこのエフェクトが起こることを意味しています。これにより、先程の例は目まぐるしく聞こえたのです。

スライサーエフェクトは、0(saw, ノコギリ波)、1(pulse, パルス波)、 2(triangle, 三角波)、 3(sine, サイン波)の4つの異なる波形を使って振幅を変調しています。デフォルトでは、waveオプションは1に設定され、これはパルス波(または矩形波としても知られています)を使って振幅を変調することを意味しています。下の図は、振幅(赤色でマークされた領域)が時間に沿ってどのように増減するか示しています。

では、波形をノコギリ波(wave: 0)に変更してみましょう。これのより突発さを軽減し、このエフェクトを少しスムーズにするでしょう。

use_bpm 120

live_loop :breakbeat do
  with_fx :slicer, phase: 0.25, wave: 0, mix: 1.0 do
    sample :loop_breakbeat, beat_stretch: 4, amp: 2
    sleep 4
  end
end

phaseの時間を倍(phase: 0.5)にして、波形をパルス波(wave: 1)にしてみましょう:

では、以下のように、phase: 0.5, wave: 2をオプションとして使用すると何が起こるでしょう?

こうして、極めて簡単にドラムループにリズムと変化とダイナミクスを追加することができました。そして、これはシンセサイザーにも同様に使用可能であることを覚えておいてください!

次のコードはスライサーエフェクトの最後の例で、長いphaseを使ったものです:

use_bpm 120

live_loop :breakbeat do
  with_fx :slicer, phase: 1.75, wave: 0, mix: 1.0 do
    sample :loop_garzul, beat_stretch: 16, amp: 1
    sleep 16
  end
end

live_loop :beep do
  with_fx :reverb, room: 0.9 do
    with_fx :slicer, phase: 1, wave: 1, mix: 1.0 do
      synth :hoover, note: [:Db4, :G3, :Bb3, :F4].ring.tick, attack: 2, release: 4, amp: 0.5
      sleep 6
    end
  end
end

live_loop :kick do
  sample :bd_haus
  sleep 4
end